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★Vol.563.注目!もう一つのこぶとり爺さん!

こぶとり爺さんという昔話があるが、この昔話を現代版に置き替えてみる。ある所に良いお爺さんと悪いおじいさんがいた。二人は隣どうしに住んでいた。良いお爺さんは、お人よしで明るく陽気な性格で前向きな考え方を持っており、周囲からもそう思われていた。悪いお爺さんは、相手の事情や周りの雰囲気を察することなく、自分本位であり、他人を気遣うような心は持っていなかった。悪いお爺さんには借金があった。お金の使い道は、自分の欲しい物を購入したり、博打をしたり、意中の女性を振り向かせるための高価なプレゼントを買ったり、自分のためだけであった。良いお爺さんも借金が多く、その生活は困窮していた。それは、何か行事や催しものなどがあるときにはお金をだし、困っている人がいれば助けていたからである。人の良いお爺さんを利用して借金を背負わせたりする者もいた。その中には隣の悪いお爺さんもいた。良いお爺さんは、借金が多く首がまわらない状況であったが、自分がしてきたことに対して後悔はない、自分の支援した人々が、幸せに生活していることを願って明るく前向きに暮らしていた。良いお爺さんは、そんな人生を送っていたが、ある日、お金はないが、丁半博打の賭場に立ち寄ってみたくなった。お爺さんは少し酒が入り、ほろ酔いでいい気分だった。賭場ではある時は笑い声が聞こえた、ある時は気迫を込めた鉄火場を目にした。結局大負けしてしまったのだが、お金は持っていない。良いお爺さんは賭場の親分の所に連れていかれ、賭場の親分に「お前は金もねえのに、なんで博打をうちにきたんだ」と聞かれた。良いお爺さんは正直に答えた。「今まで生きてきたが、こういうものが世の中にあったって知らなかったのです。賭博は怖いものだとわかっていたけども、生きているうちにこういうものを一度経験してみたかったのです」。すると賭博の親分が真剣な目をして、「そうか、こういう場所はあまりよくないもんだ。あんたのような爺さんが来るようなところじゃねぇよ。だが、まぁ今日だけは大目に見てやるから楽しんでいくといい。子分にも言っておく」と良いお爺さんに伝えた。その時、賭場で負けを重ねた一人が親分に「金をかえしてくれ!」と親分にしがみついてきた。それを見た良いお爺さんは「親分さん。俺が親分さんのところで寝ないで働くから、この人のお金を返してやってくれないだろうか」と言った。ヤクザの親分は、呆れ顔で「爺さん。お前さんはなんで人の為にそこまでやるのだ?」と聞いた。良いお爺さんは「そうしたらこの人は助かるだろう?」とヤクザの親分に言った。その時、ヤクザの親分はふと、自分の親のことを思い出してしまった。親分にも何か訳ありの過去があったのだろう。良いお爺さんの一言により、親分にしがみついた男は金を返してもらうことになった。良いお爺さんはそろそろ帰ることにした。その帰り際である。親分が近づいてきてこう言った「爺さん。お前、いろんなところで借金しているみてぇだが、俺がまとめてその借金を全部帳消しにしてやる。世の中な、こんな怖い場所もあるってことを覚えときなよ。それと、爺さん、人の為に生きるのもいいが、これからはお構いなしにやるんじゃなくて、よく考えてから決めるんだな」。そんなこんなで、親分に借金を帳消しにして帰してもらった。そして、このことを隣の悪いお爺さんに話した。それを聞いた隣の悪い爺さんは、あの爺さんと同じことをやれば自分も借金を帳消しにしてくれるかもしれないと考え、早速、賭場に向かった。すると良い爺さんの時とは逆に、博打に勝ってしまった。しかしそれも最初だけで、調子に乗って遊んでいるうちに最後はスッテンテンになってしまい、どうしようかと思っていた。悪い爺さんは隣の人が金を持っていたのを知っていて、その金を盗んでしまった。その盗んだ金でまた博打を続けていると、勝ちに勝って借金がチャラになるくらいの金額になった。悪い爺さんはそこで帰る事にした。その帰り際にヤクザの親分に捕まった。悪い爺さんは、ヤクザの親分から「お前な、一回文無しになった時、隣の客から金を盗んだだろう」と言われた。悪い爺さんは答えた。「私はそんなことはしていませんよ。こんな場所なんて来たのは初めてですし」と言って、博打に勝った金を持って帰ろうとした。その時、悪い爺さんは取り押さえられて、勝ったお金は全部取り上げられ、それどころか自分の持ち物も全部取り上げられてしまった。そして賭場にいた隣の客の借金も背負わされてしまったのである。親分はその客に「この爺さんがお前の借金は全部払うから。お前は帰っていいぞ。だがな、お前、もう二度とこんなところに来るんじゃねぇ。ここはお前のような人間がくるようなところじゃねぇんだ」と言った。そして、その親分は悪い爺さんに、「ところでだ、爺さんよ。お前はこれから一生、自分のやった行為を何年もかみしめて償うんだぞ」と言った。この昔話は少し現代風のこぶとり爺さんでした。

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