★Vol.571.注目!現代風八つ化け頭巾!

昔あるところに一匹の狐がいた。その狐はとても冷酷な性格で、心に狂気を抱いており、誰かを化かしては不幸にしていた。そんな狐だったが、昔は、人の子供たちを喜ばすような優しい狐であった。狐は幼い頃に親を亡くし独りぼっちだった。そんなとき、人間のおばあさんに拾われ、とても可愛がられ、大人になるまで大事に育てられた。大きくなった狐は、何も言わずお婆さんの家を去った。そして家庭を持ち嫁と子供ができた。人間に育てられたこともあり、人間を信用していた。ある日の事。狐がでかけて帰ってくると、嫁と子供が人間に捕まえられてしまった。そして嫁と子供は狐の目の前で毛皮を剥がされ、無残に殺されてしまった。狐は、人間を信頼していた。でもそれはただの思い込みに過ぎなかった。人間もさまざまで、時に魔に憑かれ残酷な者も存在することを知らなかったのである。自分の家族を村の人間に殺されてから狐は変わってしまった。人間に対する復讐心から、人を貶めては不幸にする狐になっていた。狂気に走ってしまった狐ですが、仕事は上手くいっていた。ある日、その村に一人のお坊さんがやって来た。 お坊さんはすごく純粋な心の持ち主で、どんな人に対しても、とても親身に相談を聞くお方だった。相談を聞いていると、最近は村で押し売り事件が増えていることを知った。その押し売りは、時に命まで奪う非常に危険な輩のようであった。お坊さんは村を回り「非常に危険な押し売り事件が増えているので、皆さん十分に気をつけてください」と、家々に注意をしてまわった。お坊さんは、そのお婆さんの家にも注意をするために訪ねていきました。お婆さんは、老衰を迎えようとしているような、あと幾分の命もないような年配であり、体は不自由で寝たり起きたりがやっとの状態だった。る時、狐はそのお婆さんに目をつけました。そしてお婆さんから、金品をまきあげる計画をしていた。 「どうせ残り少ない命なんだから俺が全てを奪っておばあさんから希望を巻き上げてあの世に早く送ってあげよう 」と考えていた。そして、狐はお婆さんの家に押し売りに行った。狐「おばあさん何か買ってくませんかね」お婆さん「わしは金がない。こういう状態だからね。なにもないよ」などやり取りをしていると、家の奥に大事そうにしている缶が目に入りった。何やら珍しい缶だから、中身は相当金目の物が入っているのだろうと思った。狐はそこに目をつけた。「お婆さん、その缶にいいもの入ってるんじゃないですか?」 「おばあさんこれは俺が持ってくから、なに、いいようにするからさ」とごまかして取り上げようとした。するとお婆さんが「やめてくれ!これは大事なものだ!これはお金にはならないけど私の唯一大事なものが入ってるから絶対に渡せない!」と言った。そうすると狐は益々それが気になってしょうがない。ついにはお婆さんを殺して奪ってしまった。狐がお婆さんを殺して奪った缶を村で売っていた時である。たまたま見回りしていたお坊さんにばったり会ってしまった。 お坊さんは、その男を見て何か引っ掛かかるものを感じ、少々話をしてみた。お坊さん「ちょっといいですか、あなたはあまり見ない顔ですね」男「隣町から物を持って売りに来てるもんです」 お坊さん「そうですか 色々変わったものをお持ちなんですね」 「この缶は?」って言った時に、お坊さんは、お婆さんの家を訪ねた時に珍しい缶があったのを覚えていた。男「これは私が持ち込んだ商品の一つです」 不審に感じたお坊さんは、一旦男が商売をしている場を離れ、お婆さんの家に行ってみたところ、お婆さんは亡くなっていた。 お坊さんは、これは件の押し売り犯人に違いないと確信し、急いで男の所に戻った。 そお坊さんは男に言いました「お前は狐だな」 男「いやいや、違いますよ」 お坊さんは構わず続けて言いました。「それはお婆さんから奪った缶だろう」お前はどれだけの罪を犯したのか理解しているのか!」男「めんどうくさい坊主だな。わかったわかった、俺は狐だ。」 「俺は昔、自分の女房子供を人間に殺されたんだ。その時の俺の気持ちがわかるか?人間に復讐しないわけにはいかない。それが俺の生きがいなんだよ。俺はその生き方を変える事はないね」 男「あのくたばり損ないの婆さんに缶をよこせと言ってもよこさないから、どついたらくたばりやがったよ」と男は笑いながら話した。お坊さんは言った「では、その缶を開けてみなさい」と言われ男は缶を開けた。見覚えのあるものばかり入っていた。 「お前はその中身に覚えはないか?」 そして思い出した。それは狐が幼い頃に遊んだおもちゃであった。お坊さん「お婆さんはいつかお前が帰ってきたとき、またお前と遊ぼうと思っていたのだ。お婆さんは、それを心の支えにして今まで生きてきたのだ。それを知りなお、お前はお婆さんを殺したのか?」「あのお婆さんはお前の母親みたいなものだ。お前は自分の家族を殺したのだ」 男は狼狽しながら、叫ぶように言った。「なぜ俺の家族が殺されなければならないんだ!」「俺は罪を犯してない!」お坊さんは言う「恨みの上に正しいことは何もない。」「恨みを晴らすつもりで人を殺したお前は、お前の恨むそれ以下だ」狐の心は痛恨の思いに包まれ、砕けちりそうであった。お前はこれから、色んな事を悔いていかなければならない。そして死ぬまでにやるべきことがある。心を入れ替え、八カ所の場所を回りなさい 八つ化け頭巾をもらえるように八大龍王のところを訪ねなさい。八カ所を回ったとき、八つ化け頭巾を仏さまから渡される その時お前は極楽に往生できるだろう その道は険しいかもしれない。だが、その行く先々で人にやさしく当たりなさい。これから先は、決して人をだましたり人を殺めてはならない。龍王様からお許しを受けて昇天しなさいそして人の為に生きるお稲荷さんとして祀られるようになりなさい。狐は自分の愚かさに気づかされた。八龍王様のお許しを受けるために旅に出た。その後は恨むことを辞めて、人を騙すこともやめた。狐はお稲荷様として祀られるようになった。そして、お坊さんが言った言葉を思い返していた。「みんなが歩み寄り、悩みを打ち明けなさい。みんなが打ち解ければ人に騙される事はない。どうしようもない状況になっても、周りの人がそれを判断し助けてくれる。」 そのお坊さんとは、弘法大師様であった。

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